バイセコー!バイセコー!
森の小径をゆっくりと進む。夫と二人並んで走るとなんて楽しい!二人は電撃結婚だったから、デートもろくすっぽしていない。こんなふうに夫とゆっくり時間を楽しめるなんて、本当に幸せ!
万平ホテルでお茶
森の小径は緑濃く、苔むして静かだ。昨夜の雨のせいか森はしっとりしている。木々の梢からする鳥の声。薄い光。涼しくて済んだ空気。とにかくシーンとしている。道しるべに従って地図を片手にどんどん森の奥へ。途中、万平ホテルでケーキとコーヒーをいただいた。
向かい合って木々の中のテラスで夫とお茶をする。恋愛中のデートだったらどんな話をしていただろう。今は一緒に生活しているし、ゆうちゃんという1歳半になるかわいい宝物もいるから、なんだか安心しちゃって特に話題が無くても「おいしいね。」とか、「そっちのちょっとちょうだい。」で結構満ち足りてしまう。
幸せの谷
さて、出発。また森の小径をゆっくり走って行く。空気がいい。この静寂がなんともいえない。二人はいつしか、「幸せの谷」にたどり着いていた。そこはどこまでも続く石畳のなだらかな坂だった。他の観光客は、皆、途中でひきかえしている。私たちだけ大分登ったから、「その分他の人より幸せになれるね。」なんて言って引き返した。
ステンドグラスの小さなお店
少しすると、ステンドグラスの小さなお店を発見。「可愛いから見ていこうよ。」と自転車を降り、中に入る。
そこは、しっとりとした落ち着きの中にも、きらびやかな光が楽しめる素敵な空間だった。「記念に。」と夫がネックレスをプレゼントしてくれるという。「わーお!幸せ。」でも、遠慮してステンドグラスで作られたエメラルドの箸置きを二つお願いした。
室生犀星旧宅
バイセコー!次は室生犀星旧宅を訪ねた。しっとりと苔が生え、緑のもみじで覆われたその家は、静かで風情があり、旅人の心を透明な森の雫にしてくれる。
聖パウロ教会
少し道も間違えたりしながら、今度は聖パウロ教会に到着。ここは街中にあるので人が出入りしていた。誰かが扉を開けて出て行った。すぐその後に二人が入っていくと、誰もいない。洗練され、静かに佇む教会の中の一瞬。今、夫と二人で祭壇の前にいる。
「教会式だったらこんな感じだったろうね。」と二人でそれぞれお祈りをした。「何をお祈りしたの?」「ヒミツ。」教会の中で神は私達に優しく微笑んで、二人だけのひと時をくださった。この間口げんかしたことなんてすっかり忘れている。それはそれは二人だけの静かで透明なひと時だった。
さて、帰りは大通りを風を切ってゴー!さあお腹もすいたね。立ち寄り温泉にざぶーんとつかって、美味しいものでも食べて、帰ろー!
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