初産

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それはそれは驚きの日々でした。時はするりと流れ、記憶をたどれば、もう22年も経つ遠い話になりますが。

私には陣痛がこなかったので、薬で陣痛をおこすことになりました。入院の朝、私はいつものお気に入りの場所へお散歩に行き、朝日をふんだんに浴びながら、おなかの中の我が子の旅立ちを祝いました。お昼過ぎに病院につくと、すぐに処置をしました。それがとても痛く苦しい処置だったので、いきなり半泣き状態で始まりました。

陣痛に耐える

陣痛は軽い痛みから直ぐに始まりました。赤ちゃんの心音もチェックして、3~5分間隔です。そ

の晩は眠れず、ウトウトしては激しい痛みに耐えていました。

そして夜が明け、午前8時頃、痛みに耐えられなくなり分娩台へ。その朝は、紅茶を飲んでからのいざ出陣だったのですが、予定どうりにはいきません。

そして、かれこれ8時間ほどして、もうこれ以上耐えられないというような物凄い痛みに耐え、泣き泣きその疲れ果てたぼんやりした時を迎えました。

産まれた

今思えば感動なのかな、と思いますが、産まれたての赤ちゃんを恐る恐る横目で見てみました。湯上りの真っ白肌にポチャポチャのマシュマロのような体をして、うつ伏せで寝ていました。婦長さんが左の鼻に緑の管を入れていました。

産まれた瞬間は、もういきむのに必至で、ただお人形さんが体半分出ていて、「もう一回いきんで!」の先生の声に、いきむふり半分いきんでいました。生まれた瞬間は、本当にすっきりしました。男の子です。ただ赤ちゃんの泣き声を聞いたときは、まさにテレビでよく見かける出産シーンのようで、ただただ自分も人並みに子供を産んだんだな、と思い、不思議な気持ちでいっぱいでした。ただ、もうこりごりでした。

一年が経ち

ようやく1歳を迎えた頃、ほっとしてお茶を飲みながら桜を楽しむ余裕がありました。妊娠10~11ヶ月頃の最後の方では、桜が咲く日を毎日毎日待ち焦がれてお散歩をしていました。公園にある桜の芽をのぞいては、この花が咲く頃はどんな風になっているのかなと思いつつ。

やっと実家にも帰って、臨月頃に見ていた小さな蕾を付けた桜も見てきました。時はゆっくりでも確実に過ぎてゆくんだな、と実感し、この短いとてもすばらしい桜のひと時を、思う存分楽しもうと思いました。そして、無事に産まれてきて本当に良かった、私をお母さんにしてくれてありがとう、と

息子に言いたい。

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